短編
43金型向飛車 vs 三間飛車において平矢倉に組まれるのが問題でした。
vs 向飛車平矢倉においては後手に△44金~△55歩を見せる指し方を過去に考えました⇩
今回はこの△44金~△55歩の構想の vs三間飛車平矢倉への応用を考えてみます。
まず初手から▲76歩△34歩▲75歩△32金▲66歩△44歩▲78飛△43金▲68銀△33角▲67銀△22飛▲28銀△24歩▲36歩△25歩▲37銀△45歩▲74歩△同歩▲同飛△54歩▲56銀△44金▲65歩△62玉(図1)互角
途中▲65歩に代えて▲75飛は△55歩で跳ね除けることができます。最後△62玉に代えて❶△55歩は▲44飛△同角▲55銀が厄介。❷△73歩は▲44角△同角▲54飛で先手優勢。よって本譜△62玉が無難な一手となります。
図1からは△73歩と埋めておいて長期的には図2のような陣形を目指して一局だと思います。金美濃に代えて金無双でもダメなわけではありませんが、三間飛車からいつでも▲74歩△同歩▲同飛△73歩▲54飛の筋があるため警戒が必要です。
△54金は手厚い形で自分好みなのですが、しかし今回は対向飛車のときと違って先手の▲97角の睨みがあるため△64歩から攻めて行けません。また金美濃は8筋が弱いため、例えば先手が▲56銀△55歩▲67銀の手損をせず図3のように組んだ場合は後手は攻防共に方針が見えなくなります。
結論としては、▲56銀+▲75飛で△45歩の位を奪還されるのを防げる(△44金〜△55歩)という点は評価できるものの、良さを求めるという観点では後手に何らかの工夫が必要だと感じます。
2022/7/23追記
工夫として、先手に6筋の位を取らせず玉頭の厚みを築くのは有力だと思います。
手順としては初手から▲76歩△34歩▲75歩△32金▲66歩△44歩▲78飛△33角▲68銀△43金▲67銀△22飛▲28銀△24歩▲36歩△25歩▲37銀△45歩▲38金△54歩▲49玉△42銀▲58金△53銀▲96歩△94歩▲74歩△同歩▲同飛△72銀(図4)
ここで次に先手が▲77桂や▲97角の場合は❶△73銀▲76飛△84銀~△75歩 ❷△64銀▲76飛△75歩の筋がありこれは後手ペースです。したがって本譜は▲76飛。
図4から▲76飛△64歩▲97角△63銀▲77桂△74歩▲39玉△62玉▲48金△55歩▲28玉△54金▲16歩△72金(図5)
手順中△74歩は後手から置いておきたい歩です。▲76飛を狭くする意味と、先手からの▲74歩を防ぐ意味です。本譜△74歩より先に先手から▲74歩と垂らされた場合は△72飛▲86飛△74銀と刈り取って後手良し。
図5(結果図)では先手に6筋の位を与えずに後手が厚みを築けた格好です。ここまで組めると後手満足の局面に見えます。