M氏の将棋

序盤戦術と自戦記書くよ(`・ω・´)

対振り右玉対策1 △15角の検討

右玉対策を思いついたので紹介&検討します。

初手から▲26歩△34歩▲25歩△33角▲48銀△44歩▲36歩△42飛▲37桂△62玉▲46歩△72玉▲38金△82玉▲47銀△72銀▲56歩△14歩▲16歩△32銀▲68銀△43銀図1

図1:途中図

図1から▲48玉△13香▲27金△12飛▲26金△32金▲76歩△15歩▲同歩△同角図2

図2:△15角

角で取るのが一般的に知られている手で、以下▲同香から清算するのは△同香▲同金△同飛で1筋を突破でき後手優勢です。したがって先手はこの角を取れません。
図2から▲16歩△26角▲同飛△35歩▲同歩△34歩図3

図3:△34歩が継続の攻め

△34歩が今回の思いつきです。自陣の近くで継ぎ歩攻めをするのは少し珍しいですが、おそらくこれで手になっています。以下▲36銀には..❶△35歩▲同銀△34銀▲同銀△35金▲29飛△34金、または❷△35歩▲同銀△34金▲同銀△同銀▲36歩△35歩として、いずれも後手優勢。

本譜は図3から▲同歩△同銀▲36歩△35歩▲44角△43金▲66角△36歩▲同銀△35金図4

図4:△35金まで後手優勢

ここまで来れば後手優勢です。以下▲同銀△同金▲29飛△36歩▲45桂△46銀くらいで先手潰れです。

先手がこの展開を避けるなら、

図1

図1から▲57銀として上記と同じ手順に進めて図5、ここから▲68玉△35歩▲78玉△34銀図6)後手不満

図5:△34歩    図6:△34銀(後手不満)

先手玉が左辺に逃げれる場合は後手の攻めがやや無理気味です。一応、図6では▲44角なら△43金▲77角△36歩▲同銀△35金で依然として後手ペース。問題なのは図6から▲24歩△同歩▲同飛△23金▲26飛△33桂から殴り合いになる場合で、これは▲78玉が活きており先手良しの展開です。

 

後手からの別の攻撃手段としては、△35歩のかわりに△16香図7)が有力です。

図7:別の攻撃手段

図7から▲同香△15歩▲同歩△同飛▲16香△27金図8▲同飛△16飛▲17金△12飛▲16歩△13香▲26飛△14香図9

図8:△27金   図9:△14香

手順中▲16香では▲16歩もあり、この場合は△12飛と引いて持久戦にします。先手は▲26飛で▲16歩を守らねばらなないためあまり大きな動きができないのと、△17歩の垂らしがあるため先手が神経を使う展開です。

本譜は図8△27金が妙手で後手の攻めが続きます。続く▲17金のところ▲17歩と節約して受けるのは△26香が激痛、飛車交換になって後手優勢となります。本譜 後手は図9と進めてあくまで端を狙います。以下▲49角は△16香▲同角△同香▲同金△17角で後手勝勢。

後手は図9△14香に代えて△16香▲同金△13香▲19香△16香▲同香△15歩▲同香△同飛▲16香△27金…の千日手の変化もあります。先後を変えれば少し得するので△34歩(継ぎ歩)の変化に…とかいう壮大な計画も。

本筋は図9から▲45歩△16香▲同金△同香▲44歩△52銀図10)後手満足

図10:△52銀まで後手満足

図10は形勢としては一局の将棋ですが、端を一方的に破って玉の堅さに大差があるため後手満足の展開だと思います。以下先手が黙っていれば△17香成~△27金があります。

 

先手が本気で△15角を警戒するなら、▲27金のまま待機しておくのが最も手堅いです→(図11

図11:▲27金待機

角を切る対象がそこにいないのでは、流石に後手からの速攻は無理です。それでも殺意全開でいくなら図11から△15歩▲同歩△同角▲16歩△37角成▲同玉△33桂図12

図12:そこまでやるか(;´・ω・)

ただし意外と先手も受けは難しいかもしれません。図12から▲48玉△25桂▲76歩△18歩▲同香△17歩図13)後手優勢

図13:後手優勢   図14:▲49角はつらいか

後手△25桂からの端攻めがあります。先手がこれを避けるには手順中▲76歩に代えて▲49角図14)とするぐらいです。先手の駒得ですが、歩歩桂で端攻めを継続できそうなので先手もかなり怖そうな局面に思います。

 

先手の修正手順、▲29飛に代えて▲76歩図15△15歩▲同歩△同角▲16歩△37角成▲同玉△33桂▲48玉△25桂▲45歩△同歩▲21角図16

図15:▲76歩を優先    図16:▲21角(先手良し)

▲21角まで進むと先手良しと言えそうです。

今回の結論は以下となりました。

先手の▲27金待機に対しては△15角~角切りは無効。

それ以外についてはおおむね後手満足が得られる。

 

先手潰れとなる変化を多く含んでいるため、実戦的には今回の△15角~角切りの知識が役立つことも多いかと思いました。

 

追記 2022/7/16

ソフトによると上記手順の▲48玉△25桂▲45歩に対し△18歩図17)もあるようです。

図17:△18歩がある

まず前提として図17から▲同香△17歩▲同香△同桂成▲同金△16香は端を破って後手良しです。そのため先手としては△18歩の瞬間がややあまいため△18歩に▲44歩△52銀(or54銀)▲43歩成△同金(or同銀)▲21角~▲18飛として端を綺麗に収めた先手良し。

ソフトによると後手は▲44歩を無視して攻め合うべきということです。

図17から▲44歩

△16香▲43歩成△17香成▲21角△28成香▲同金△16飛▲32角成図18

△54銀▲43歩成△16香▲21角△17香成▲12角成△28成香▲同金△43金図19

図18:❶先手良し   図19:❷先手指しやすい

ソフト評価値は❶±0 ❷-350となっており数値的に見れば後手もって不満ありません。しかしながら❶❷いずれも駒損で細い攻めを繋げる必要があるため、個人的には先手良しの局面です。

いちおう書いてみると❷に関しては図19以下▲55歩△45桂▲46銀△19歩成▲54歩△29と!!▲同金△37桂成▲同銀△同桂成▲同玉△17飛▲48玉△12飛成がソフト手順です。変化は多岐にわたります。

 

まとめると、▲45歩△18歩の変化は入念にソフト研究するなら有力だと言えます。個人的な結論は追記前と変化ありません。