M氏の将棋

序盤戦術と自戦記書くよ(`・ω・´)

相居飛車 銀美濃

あまり戦法に優秀性を求めず、たまには自由な将棋を想像するのは良いものです。

ネットでおもしろいアイデアを見つけたので、それについて軽く考察します。

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初手から▲78銀△34歩▲48銀△84歩▲56歩△85歩▲57銀図1△86歩▲同歩△同飛▲87歩△82飛▲66銀△62銀▲76歩△32銀▲77銀△52金▲66歩図2

図1:▲57銀     図2:▲66歩

角を見せずに▲66銀→▲77銀と引きます。最終的には銀冠に組みます。(図3

図3:結果図

ここまで手厚く組めれば楽しそうです。早めに右銀を寄せているために、銀冠の屋根である▲87銀▲77銀を優先的に構築できているようです。

この戦法、後手番ではどうでしょうか。この作戦が成立しない場合を模索してみます。

初手から▲76歩△32銀▲26歩△52飛▲25歩△54歩図4

図4:後手番の場合

後手番だと△53銀が一手遅いので▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲54飛が生じます。それを避けるため後手は△52飛とするしかなさそうです。居飛車っぽさはなくなりますが、5筋の戦いも見せている手なのでこれもあるかと思います。

図4からは先手が▲56歩型と▲46歩型があるのですが、まずは▲56歩型から見ていきましょう。これは後手の5筋位取りを許さない意味です。

図4から▲56歩△62銀▲48銀△53銀▲57銀△44銀▲46銀△34歩図5

図5:△34歩

▲56歩と突いたからには先手は後手の5筋棒銀を受けなければならず、だいたいここまでは進みます。以下先手が2筋交換をするなら・・

図4から▲24歩△同歩▲同飛△33角▲28飛△24歩▲36歩△23銀▲58金右△32金図6

図6:2筋歩交換の変化

思ってたのと少し違いますが、これも後手は銀冠に組んで一局の将棋です。相居飛車で△44銀▲46銀の銀対抗になる将棋は結構珍しいんじゃないかと思います。先手は▲37桂と跳ねれますが、銀対抗なので意外と攻めが難しいと思います。

戻って図5ここから先手は▲45銀として乱戦の変化もあります。

図5から▲45銀△55歩▲44銀△同角▲55歩△同角▲同角△同飛▲58歩△52飛▲22角△33角▲同角成△同銀▲65角△32金▲83角成△74銀▲61角成△同玉▲41銀△82飛▲52金△71玉▲32銀成△52飛▲33成銀△同桂▲24歩図7

図7:乱戦の変化

一気に進めましたがだいたい一本道の変化です。手順の途中▲61角成に代えて▲84馬だと△82飛▲66馬△87飛成となって後手良しです。また手順中 後手が▲41銀の割り打ちを避けて途中△32金のところを△42金とするのはまずく、上記下線部の変化に進まれて最後△87飛成▲78銀△82龍▲24歩△同歩▲22歩で先手良しです。

結果図7は、先手の攻めが刺さるまでまだ余裕があるので後手優勢。ただし先手陣に喰いつき損ねると▲23歩成以下が間に合ってきますし、また下手に飛車交換すると▲32飛と打ち下ろされて後手玉が受け無しになりかねません。総じて後手がやや勝ちやすいぐらいだと思います。

 

戻って図4ここから▲46歩型について。

図4から▲48銀△62銀▲46歩△53銀▲47銀△44銀▲36歩△34歩▲37桂図8

図8:▲46歩型の場合

ここから△33銀と引く勇気は僕にはないですね・・

いま気付いたのですが△52飛のせいで△33銀~△44歩としても右金を上がれないのが痛いです。これは後手不満の展開だと思います。

最後▲37桂に代えて▲24歩も十分考えられ、以下△同歩▲同飛△33角▲28飛△24歩▲37桂△23銀▲45歩図9)後手不満

図9:▲45歩

銀をタダで引かされるのは悔しいです。また、おそらく先手番で銀美濃をする場合でも同様の問題があると思います。