M氏の将棋

序盤戦術と自戦記書くよ(`・ω・´)

村田システム - 見解と対策

村田システムについて私見と、ちょっとした対策を書いてみます。

図1:△54歩

村田システムは図1のような駒組みです。相手が特に攻めてこなかった場合、最終的な狙いは居角の旧式雁木であるというのが自分の認識ですが、実際は先手の攻撃陣や囲いによって柔軟に別の形を目指すことが多いようです。柔軟性というのはしばしば曖昧であることと同義なのであまりコンセプトとしてはハッキリしたものではありません。たいていの場合は英春流・嬉野流・ショーダンオリジナルに似た展開になります。

村田システムの中身については書籍や関連サイトを参照。

【関連サイト】
【将棋講座】画期的新戦法 村田システムとは?(前編) | マイナビニュース
【minor戦法】村田システムから新・村田システムへ(その1) - 将棋備忘録
〔将棋〕なぜ「村田システム」はわかりにくいのか? : 人生0手の読み

村田システムへのちょっとした対策を考えてみます。
図1から▲24歩△同歩▲同飛△53銀▲23歩図2

図2:▲23歩

歩を打つ変化を選びます。以下△31角▲36歩△44歩▲37桂△43銀▲46歩図3

 

図3:▲46歩

後手はこのまま黙っていると▲45歩や▲35歩で先手の攻撃がバンバン通ってくるため、何かしらの方法で23歩にアプローチを掛けなければなりません。以下は【A】34銀と【B】34歩の2つの展開が考えられます。

【A】△34銀▲28飛△23銀▲47銀△24歩▲56銀結果図A)先手持ち
【B】△34歩▲45歩△42角▲28飛△24歩▲47銀△23金▲44歩△同歩▲48飛△64角▲38金結果図B)先手持ち

結果図A:▲56銀  結果図B:▲38金

結果図A,Bいずれもソフト評価値は概ね互角ですが、後手の△23銀や△23金は先手に4筋から動かれると遊び駒になりやすい位置であることから、実戦的な指しやすさでは先手十分といったところ。

ちなみに厳密には本来の村田システムでは飛車先を一つ突くことになっています。上記の展開だと8筋方面にアヤがないのが後手の不満要素ともいえるため、今度は図3のところで△84歩〜△85歩と▲77角〜▲45歩の交換が入った局面を検討してみましょう。→図4

図4:▲45歩

図3と比べると先手が一手早く仕掛けれます。ちなみに図4までで先手▲78銀と受けても一局ですが、お互い前のめりで攻める流れだと寧ろ8筋交換させて▲88歩で受けた方が手堅い印象です。
図4から△55歩▲同角△54銀▲77角図5

図5:▲77角 結果図

後手は角道を通して8筋からカウンターできる体勢をつくります。カウンターと言っても図5からすぐ△86歩▲同歩△同角▲同角△同飛とするのは直後に▲22歩成があって先手優勢なので、図5ではソフト曰く一回△34銀として状況を見て△86歩だそうです。ただやはり△34銀→△23銀(金)の動きは後手の金銀配置が悪化するだけなので先手としても望むところでしょう。また後手の4筋は既に収集つかないことになっており、この展開になるなら最初から嬉野流を使った方が良いと思います。自分なりの研究の結論です。

村田システムは何をコンセプトとして見据えているのか、嬉野流のような初動の立ち上がりの速さか、あるいは旧式雁木のような序盤の安定感か、おそらくその中間であり両方なのだと思います。しかし実際には両方微妙になっているのが村田システムの非常に使いづらい点であるように感じます。