M氏の将棋

序盤戦術と自戦記書くよ(`・ω・´)

対局における心構えのコツ

学生時代に実践していた対局における心構えは
「負ける前提で、一手差での負けを目指す」
というものです。
このマインドが良い方向に働いたのか、大会では実力以上に内容の良い将棋を指せていました。負けても内容はどれも接戦でしたし、格上相手に勝つことが何度もあったと記憶しています。当時自分まだ初段なのに24R2400の相手(だと先輩から聞いた)に勝ったりとか。

なぜこの心構えで上手くいったのかを考えてみると、まず前半の「負ける前提で」の部分には肩の力を抜く効果があります。「やってはみるけど期待はしないでよネ」という感じです。期待は原動力ではありますがそれはしばしば重荷でもあるので、期待することが必ずしもプラスになるわけでもありません。期待をほどくと、肩の荷が下りて思考が澄み渡ることがあります。

心構えの後半「一手差での負けを目指す」について。つまり相手に離されないように付いていくことです。相手がちょいミスれば勝ってたかもよ?というエンディングを目指します。対局中の相手にプレッシャーをかけるという効果もあるかもしれませんが、それよりは自分の中での対局中の目的意識をより具体的にする効果があったのだと思います。速度差が〜とか言われるよりは「一手遅れで十分だからついて行け」と言った方が思考がより具体的になりますし、期待を回避してモチベを高めることにもなっています。

とまぁこんな感じで、最終的に負けても「おしかったね今のは」といえるような将棋を自分は心掛けていました。

付録:ミスへの達観

ところでこうして考えていると、自分はミスについてかなり達観した姿勢なことに気がつきます。たぶん理由は将棋以外にもあって、自分は中・高・大学と吹奏楽部だったのですが、本番の舞台で音をハズしてしまうことが本番前日夜の最大の懸念事項というか恐怖ポイントでした。トランペットは特にミストーンあると目立つのでね。しかし大学までやって場数を踏んでくると「祈っても願ってもどうしようもない失敗」というものがあるように思えてくるのです。ミスの実行役は自分ではあっても、ミスの原因と責任は「運」が持つのだと。なので本番前で自分に何か言葉をかけるとしたら "頑張れ" ではなく "Good Luck" でした。練習では10割うまく行く想定で、大抵その7割ぐらいが本番で現実になるので、残りの3割はどうぞ運に任せましょうと、そういう考え方をすると本番前の緊張も余裕のよっちゃんです。

将棋もそうですが避けられないミスというのを多く経験すると、「やることはやったからあとは知らん(*´-`)」と達観するようになるのかもしれませんね。ミスを甘んじず改善しようと試みることが上達の必須項目だとも言えるので、達観が一概にいいともいえないのですが。

おわり