M氏の将棋

序盤戦術と自戦記書くよ(`・ω・´)

穴角石田流

短編でアイデアを紹介します。
穴角を活用することで再現性ほぼ100%で石田流に組めるのではと考えました。ちなみに再現性の高い石田流といえば343戦法や43戦法などがありますが、自分はこれらについて全く詳しくないのでそれらに対して穴角石田流にどれだけメリットがあるのかは判断しかねます。取り敢えず一つのアイデアということで紹介しておきます。初手から▲26歩△12香▲25歩△32金▲76歩△11角▲48銀△22金▲68玉△32飛


△22金が後手の工夫で、角道を塞ぐと同時に32地点の空間を開けます。
上図以下▲46歩△62玉▲47銀△72玉▲78玉△82玉▲58金△72銀▲96歩△94歩▲77角△34歩

△22金のおかげで後手は先手の角道を気にすることなく△34歩を突くことができます。▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲同飛成△同金▲11角成は流石に先手無理で、△27飛とでも降ろしておいて後手勝ちやすい展開です。
上図以下▲88玉△35歩▲78銀△34飛▲86歩△33桂▲87銀△32金▲78金△22角

上図以下は普通の石田流本組を目指して一局。だいぶ手損しているので厳密には形勢が悪いはずですが、再現性ほぼ100%で石田流本組に組めるというのは実戦的に見て割と大きなメリットだと思います。

序盤に先手が飛車先ではなく角道を突いてきた場合、△22銀型で同じように石田流に組むこともできます。

初手から▲76歩△12香▲26歩△11角▲25歩△22銀▲48銀△32飛

上図以下自然に進めて下図

後手は飛車を浮く前に△31金は寄っておいた方がよいでしょう。これ無しに△34飛と浮くと▲22角成△同角▲23飛成の強襲があり後手不利です。(元から割と不利だけど)
上図から▲78銀△24飛▲25歩△34飛▲86歩△33銀

本譜は先手が飛車先を交換しているので△22銀→△33銀とはできません。△33桂型を目指しても良いのですが、それだと石田流本組にくみ上げる際に最初に述べた△22金型よりも1手多く手損することになります。(△32金△22金△32金の3手損vs△22銀△31金△32金△21銀の4手損)したがって後手は△22銀を活かすべくこの場合△33銀に組むのが良いと思います。本譜、後手△24飛として▲25歩を打たせるのが手筋です。一見して△24飛▲同飛△同歩▲23歩が怖いようですが、△33銀と交わしておいて何も起こりません。先手は▲25歩と受け、後手は上図のように△33銀型に組むことができます。

このように後手は展開によっては△22銀から石田流33銀型に組めます。ただし最終形として石田流本組とどちらが優秀かは難しいところです。個人的には△22金型から石田流本組に組む方が好形だと感じます。

ちなみにこの戦法、ソフト評価値は居飛車+700なわけですが…
ロマンに数字は通用しないのです (`・ω・´)

 

追記...

書いたその日に気が付いたのですが、この指し方への対策は意外と簡単で、相手としては▲36歩~▲38飛で3筋の位取りを阻止すれば後手は悪形だけが残ることとなります。

あっけなかったですが、ロマンとはそういうものなのかもしれませんね(´・_・`)