M氏の将棋

序盤戦術と自戦記書くよ(`・ω・´)

43金型向飛車 銀冠のアイデア

短編でアイデアを紹介します。

初手から▲76歩△34歩▲66歩△44歩▲68銀△32金▲67銀△33角▲77角△43金▲88飛△22飛▲86歩△82銀▲85歩△72金▲84歩△同歩▲同飛△83銀▲88飛△84歩図1

図1:△84歩

△82銀~△72金と重厚に受けておき、先手の歩交換に乗じて銀冠に盛り上げます。一般的に相振りにおける2枚銀冠は棒銀が刺さる可能性が高いため、以下先手は棒銀を狙います。

図1から▲75歩△54金▲76銀△74歩▲同歩△64金図2▲85歩△74金▲84歩△同金▲85銀△75金図3

図2:△64金    図3:△75金(分岐元)

△74歩の突き捨てがポイントで、後手は四段金で応戦します。図3では一局の将棋ですが後手にはB面攻撃の用意があり、おもしろい将棋です。

以下すぐに先手が仕掛ける場合の進行例を3つ紹介します。

❶図3から▲76歩△87歩▲同飛△86歩参考図A)後手優勢

(以下は▲86同角△同金▲同飛△95角の王手飛車)

❷図3から▲84銀△87歩▲同飛△86歩▲同角△同金▲同飛△84銀参考図B)後手優勢

(以下は▲同飛△95角の王手飛車があり先手はこの銀を取れない)

参考図A:△86歩まで後手優勢   参考図B:△84銀まで後手優勢

いずれも△95角の筋が痛いため先手は工夫する必要があります。

図3から▲48玉△73桂▲84銀△同銀▲同飛△83歩▲88飛△42銀参考図C)後手ペース

参考図C:△42銀(一局)

後手の△75金が大きく主導権を握れそうです。ちなみに形勢はともかく自分らしさ全開の手だと△83歩のところでは△83銀▲88飛△85歩も候補に挙がります。

 

したがって残る先手の最有力手段は図3から▲95角△41玉▲84銀図5

図5:▲84銀(途中図)

以下ソフトによれば図5から△87歩▲同飛△76金▲88飛△87歩▲78飛△84銀▲同角△67銀▲98飛△83金▲95角△94歩図6)後手優勢

図6:△94歩まで後手優勢

ぴったり角を捕獲して後手優勢となります。

以上、後手銀冠は先手の棒銀に対抗できそうです。

 

最後に戻って図1から▲65歩図7)の展開も見てみましょう。

図7:▲65歩

これは将来的に▲66角と構えて銀冠の頭を刈り取る意味もありますが、しかしすぐにやると図7から△24歩▲66角△25歩▲84角△同銀▲同飛△95角図8)の王手飛車を喰らいます。

図8:△95角まで後手勝ち

したがって後手としても▲66角~▲84角の心配はありません。

図7から一例としては△24歩▲48玉△25歩▲38玉△45歩▲56銀△77角成▲同桂△33桂▲68金△26歩▲同歩△同飛▲27歩△24飛▲28銀△35歩▲48金△42銀▲89飛△52玉図8)一局の将棋

図8:△52玉まで一局の将棋

イデアは以上です。