M氏の将棋

序盤戦術と自戦記書くよ(`・ω・´)

九間飛車 アイデア

今回は九間飛車のアイデアについて書きます。

序盤はこんな感じです。

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△14歩に対して▲16歩と受けてくるなら△13香~△12飛

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こんな感じに進めます。後手は△15歩からかなり能動的に動くことができるので居飛車の持久戦を牽制できているかもしれません。また△12飛が▲88角のラインをカバーしているので、例えば持久戦において先手の▲66歩を待たなくとも△43銀~△51角という転換が気兼ねなくできそうです。

 

戻って序盤△14歩に対して先手が1筋を受けなかった場合は、△15歩~△12飛

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この場合は将来の△14飛を用意して軽い捌きを狙います。飛香は相互に紐が付いているので有事の際は△45歩から捌きやすいかなと思いました。または△35歩~△34飛の石田流を狙うのも一考ですが、▲46銀~▲68角で飛車が狭いので危険かもしれません。あくまで「飛車の浮けるノーマル振り飛車」として運用すべきだと思います。上の局面では一例として△32銀としていますが、持久戦前提で△42銀~△53銀を見せるのもあり得るところです。

 

先手が▲25歩を保留する場合、1筋を受けて▲17桂~▲25桂の心配があります。

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以下△12飛▲25桂△22角▲13桂成△同飛▲25歩△33角

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厳密には先手が良いと思いますが、見た目よりは後手もやれるかもしれません。攻めの桂と守りの香の交換は後手にとって悪くない交換だと思います。飛車の位置の良し悪しは判断不能です。

 

今のところアイデアは以上になります。ソフトにかけるとだいたい常に先手+500点の評価値になります。ただしソフトは九間飛車のような序盤を学習していないでしょうし、また九間飛車はアヒル戦法などと同じように形勢判断があまり意味をなさない類の戦型だと思います。

 

ちなみに九間飛車の由来ですが、元をたどれば四間飛車などにも関連する問題ですね。なぜ "左から" 数えて四間と言うのか。またなぜ一間飛車だけ "右から" 数えるのか。

実はこれ、左から数えているわけでも右から数えているわけでもないんです。

振り飛車は本来は後手番の戦法なので、4筋に飛車を振るという意味で四間飛車なんです。常に先手から見て右が1筋ですからね。三間飛車も同様です。

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その一方で、一間飛車は基本的に先手番の戦法ですから・・・

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1筋に振るという意味で一間飛車です。

では九間飛車はというと・・・これは一間飛車と比べても使用されることが極端に少ない戦法なので、正式な戦法名としては広まってはいないと思います。つまり先手番の戦法なのか後手番の戦法なのかもハッキリしていません。感覚としては、一間飛車という名前は既にあるから、じゃあ反対側は九間飛車にしよう!といったところでしょう。

 

おわり