M氏の将棋

序盤戦術と自戦記書くよ(`・ω・´)

自戦記 相振り 普通の向飛車

2021年3月8日

今回は2切れの負け棋譜です。

先手:okaikei225 (2252)

後手:Mars_54E (2249)

初手から76歩34歩66歩44歩68銀42銀67銀43銀68飛33角38銀22飛36歩62玉37銀72玉38金62金58金52金49玉45歩図1

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図1:本譜45歩

後手番が僕です。先手66歩に対していつもの54金型を目指すのも考えましたが、先手は三間ではなさそうなので普通に43銀型に組んでみようかなと思いました。というか相手はよく見る最高レート2450ぐらいの結構強い人ですからね。ビビっとります(^^)/

図1は45歩と指しましたが、厳密にはこの手は良くなかったと思います。というのも対凹矢倉の向かい飛車では参考図2のように85歩・65歩より先に、96歩と端歩の打診をしておくのが基本だと、確かそんな感じだったと思います。対局中には忘れていました。

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参考図2:端歩の打診

参考図2から相手が端を突き返してくるなら参考図3へ、端を無視してくるなら参考図4のように進めます。

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参考図3:端歩突き合い  参考図4:端歩突き越し

参考図3以降の理想的な流れは75歩から一歩持って98飛~65桂82銀73歩からどんどん手を作ろうという感じだそうです。これ↓に書いてありました(*´з`)

相振り飛車 先手向かい飛車 対 後手矢倉 囲いの崩し方 | 将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

一方で参考図4では次に85桂~74飛が厳しい攻めです。このとき端を突き越しているため93桂成の強襲が効いたりするんだと思います。推測ですが。

ということで、図1の45歩のところでは一度14歩と端の様子をうかがうのが正しい手でした。次は気を付けることにします。

さて図1からはお互いテキトーーー('_') に進めて図5となりました。2切れなのでざっくり行きます。

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図5:攻め方がわからなかった

既に述べたとおり対局中は凹み矢倉に対する能動的な攻め方がわからなかったので、矢倉に組んで先手仕掛けてもらって反撃する方針にしました。僕は矢倉にするときは53地点を補強する意味で天野矢倉に組んでいます。例えば図5から65歩同歩同桂64銀同角同金のとき、普通の72金の矢倉だと53桂成で先手良しとなりますが、天野矢倉だと金の利きがあります。あとは展開によっては43地点への打ち込みを警戒して52金と寄るのも視野に入れています。

図5からは35歩44角36銀26歩同歩同飛27金22飛25歩75歩図6

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図6:75歩の攻め

35歩と玉頭を張ってきたのは意外でした。44角~26歩で一歩持てますから。ただし先手も27金~25歩で玉頭の主張ができるのでお互い満足な流れですね。本譜は75歩から攻めてみました。75歩はよくある仕掛けですがソフトには34歩を推奨されました。確かに同歩は35歩で銀が捕まるのですが、26金~37玉で余計に2,3,4筋を盛り上がられる未来が見えるので34歩は人間的にはあまり読まない手ですね。34歩26金でイマイチと見て読みを打ち切るのが自然だと思います。ちなみに僕は対局中34歩は見えてませんでした。

図6から75同角74銀86角75歩67銀73桂37桂85桂46歩図7

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図7:2,3,4筋の崩壊の方が速い?

図6の75歩以降は部分定跡のような感じの手順です。2歩持っていたら7筋を抑えることができるので、知らない人はご参考に。本譜は調子よく73桂~85桂と跳ねたものの、46歩と着実に来られて意外と後手の2,3,4筋が脆い形です。ソフトは相変わらず34歩で後手+400とか言ってますが、26金の先の変化を読み切った上での評価なので却下。互角の形勢だと思います。

実は対局中は85桂に代えて42飛も候補に挙げて考えていました。→参考図8

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参考図8:42飛の是非

42飛は、先手はどうせ4筋あたりから動いてきそうですし、27金によって薄くなった4筋で飛車を有効活用できればな・・・という意図です。24歩には43飛でなんとなく受かっていると踏んでいたのですが、他に嫌な筋として

42飛45銀同銀同桂22角(35角は36金)46歩~51銀

42飛76歩同歩同銀75歩同銀同銀同角~51銀

などの筋が一瞬だけ見えたので対局では42飛は躊躇しました。本譜は85桂と順当に攻めて図7となりました。そして本譜は図7(再掲)から46同歩45歩33角49飛43銀46飛図9

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図7:再掲   図9:46飛

図9では既に後手の方針が難しいと思います。手順中の43銀は僕らしい手ですが、僕らしい手というのは「駒を引くタイプの消極的な手」という意味で、だいたい悪手なことが多いです。図9では対局中、次の26金~44歩同角45銀の攻めが受からずどうしたものかと焦ってしまい、図9から本譜77桂成同角65歩55桂・・・以下2,3,4筋を潰されて、特に見どころ無く負けました。65歩ではまだしも54歩と我慢すべきで、これなら評価値的には勝負だったみたいです。人間的にはだいぶ先手が指しやすそうではありますが。

 

直接的な敗因は85桂を楽観視したことにあると思いました。85桂同桂同銀と進めば7筋の厚みを活かして6,7筋での戦いになるのですが、実際85桂を取らずに放置されるとそれ以上の攻めがなく、結局2,3,4筋の圧迫の方が速くなってしまったのだと思われます。大局観としては42飛のように一度2,3,4筋の面倒を見ようとする方向性の方が優ったかなと思いました。2切れでここらへんの速度の判断を下すのはだいぶ無理がありますけどね。

 

おわり