こんにちは。このページでは後手のm式四間飛車に対して、居飛車が急戦をしてきた場合を見ていきます。
最近はelmo急戦が一時期人気を博したり右銀急戦の書籍が発売されたりと、なにかと居飛車が急戦を選択してくる将棋が増えている印象があります。2切れで指していても以前よりも明らかに36歩と突かれることが増えました。僕は最初は「ツノ銀に関しては書籍では何も触れられていないだろう」と対岸の火事だと思っていたのですが、そうでもなかったようです(;´・ω・)
早速見ていきましょう。左銀急戦の基本図を示します。
64歩と突いた局面を基本図としましたがこの意図はあとで説明します。
さて左銀急戦といっても45歩早仕掛け・斜め棒銀・棒銀などがありますが、このうち45歩早仕掛けと斜め棒銀に対しては比較的対処しやすいと思います。棒銀が意外と厄介。ちなみに46銀37桂26飛(これ正式名称とかあるんですか?)の陣形もありますが、これは左銀急戦よりも右銀急戦で多い指し方なのでここでは除外して別のページで扱うことにします。
45歩早仕掛け
45歩早仕掛けは図2から同歩33角成同桂24歩同歩同飛23歩(図3)で飛車先を破れないので振り飛車良しです。2切れだと46歩~37桂から結局は5筋位取りに合流することが多い気がします。
斜め棒銀
斜め棒銀には図4から63銀35歩45歩(図5)となります。図5以下は45銀88角成同玉35歩55歩と進んで一局の将棋ではありますが、さすがに居飛車が望む将棋ではないと思います。ちなみに図4から63銀に代えて45歩は、以下55銀63銀37桂52銀79角54歩66銀43飛24歩同歩同角44角が一例で、まあこれも悪くはありませんがとりあえず良くはないですよね(-_-メ)
棒銀
ツノ銀四間飛車の強敵はこの棒銀だと思います。ツノ銀中飛車では45歩同歩55歩同歩同飛~45飛という定跡があって棒銀に対して十分対応できるようです。このサイト参照↓
ですがツノ銀四間飛車ではこの反撃ができないので、対棒銀には別の対抗策が必要になります。
僕が考えた中での結論としては、棒銀には基本図から37銀14歩(図6)26銀45歩(図7)として角交換を目指すのが良いと思います。14歩を突いたのは角交換後の15銀の筋を防ぐためです。
図7からはa.66歩 b.33角成 c.35歩の3通りの変化があります。
a. 66歩
図7から66歩44角(図8)先手仕掛けを封じて後手満足だと思います。図8からは先手は38飛~35歩と攻めたいですが、38飛の瞬間に26銀が死にます。また図8から35歩同歩38飛にも34銀で3筋が受かります。冒頭で64歩と突いた局面を基本図に設定したのは、この44角のとき65歩と位を取られる手を消すためです。
b. 33角成
図7から33角成には同金66歩44銀(図9)として居飛車の仕掛けを封じれていると思います。その後は木村美濃なんかに組んで一局の将棋・・・になることを期待しています。実戦で試せていないため何とも言えないですが、この展開は後手もって明確な方針が見えずらく、研究・改良の余地があります。
c.35歩
図7から35歩には88角成同玉44角66角35歩38飛(図10)と進みます。図10からは仮に34銀と足したのでは44角同飛35銀から居飛車の銀が捌けてしまうので、図10からは66角同歩46歩同歩27角35飛54角成(図11)と進めて振り飛車十分かなと思います。図11から45角には同馬同歩28角37角39角成55角29馬11角成34歩36飛33桂と進み、駒得できる後手を持ちたいです。
以上の変化をおさえておけば、単純に26銀と出てくる棒銀に対してある程度までは対抗できると思います。
最後に棒銀側が46歩と突いてくる場合を見てみます。
今まで26銀と上がっていたころで図12のように46歩とされた場合は先ほどとは違った対応になります。ただし四間飛車に46歩と突いているのでこれはだいぶ振り飛車が指しやすそうな印象があります。図12から82玉26銀45歩(図13)
図13から33角成同桂とするのは後手の駒を勢いづかせてしまうので、図13以下は同歩88角成同玉54銀(図14)
一局の将棋ですが4筋から早い動きが取れるので後手に不満のない展開でしょう。以下例えば77角33角44歩には65銀でもいいですし同角同角同飛77角49飛59金39龍でも後手良しです。
棒銀に対して45歩から動いていく作戦は、ツノ銀四間飛車に限らず普通の四間飛車でも見られる指し方なようです。僕は本を持っていないので詳細はわかりません。
おわり