M氏の将棋

序盤戦術と自戦記書くよ(`・ω・´)

宗歩型(右四間飛車対策) 開発記録

このページではオリジナルの右四間対策を紹介します。僕が昔投稿した「ノーマル四間飛車32銀型のブログ」の記事を転載します。ブログ本文では丁寧語を省略していますがご容赦ください。

以下、ブログ本文

 

 

ふと思いついた右四間飛車対策についてまとめる。この作戦は試行錯誤の過程も重要なのでこの記事は例外的に頭から結論を書かず、書き進めるにしたがって改良していくスタイルにする。

上図が「宗歩型の右四間対策」の基本図で、31銀型なので▲45歩の攻めには△同歩~△47歩として後手不満ない。

基本図からの方針について、結論から言えば△32銀待機が良いのだが、まず初期に考えていた△43銀型のものを示す。狙いは同じだが先手が反撃した場合の手順が異なる。

基本図より△32銀▲88玉△43銀▲98香△64銀▲99玉△52飛(途中図)

手順中に先手が▲45歩と仕掛けた場合は54歩型の受け方をすることになりその展開も十分考えられる。▲45歩以降は後手に△64銀~△55歩があり局面は収まらないので先手も堅く囲う暇がなく一方的に後手が陣形差で負けることは無い(と勝手に思っている)。

ちなみに手順中▲88玉に代えて▲45歩△43銀▲44歩△同銀左▲45銀△同銀▲22角成△同飛▲45飛△44歩▲48飛△42飛の手順は後手が指せると思う。後手は△44歩で先手を取れるのが大きい。

 

話を戻そう。上図(途中図)より先手が反撃するなら▲45歩△55歩▲44歩△同銀▲45銀△同銀▲同飛△44歩▲46飛△42金(結果図)

一局ながら先手持ち。

△44歩に▲25飛△53飛など、局面は収まるものの後手が主張を見出しにくい展開なのでどちらかと言えば先手持ち。

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そこで△43銀を省略する案が出る。現段階ではこれが後手の最善と自分の中で結論付けている。基本図を再掲載。

基本図より△64銀▲88玉△32銀▲68金寄

最終手▲68金寄りは特に深い意味はなく、先手にとって離れ駒をなくすのが最善との判断より。上図以下は後手に【1】△52飛 【2】△55歩の2つの手段があり順に見ていく。

【1】上図より△52飛▲45歩△55歩▲44歩△56歩▲43歩成△77角成▲同桂△43銀▲同飛成△42銀▲52龍△同金左

後手満足。

△42銀は最後上図での飛車打ちを消した意味で、上図以下▲41飛なら△32角で殺せる。△57歩成が後手の権利になっているのが大きく51底歩も効くため後手満足な展開と思う。

また、△52飛への先手の他の対応としては▲66歩もある。

上図は前の局面から▲68金を▲98香に変えて△52飛▲66歩と進んだ局面。以下は△55歩▲67銀から先手は堅さ、後手は駒の伸びを主張する展開に。下の図2つのいずれかの局面になることが多い。

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分岐元を再掲載

【2】上図より△55歩▲同銀△65銀▲86角△52飛▲66銀△76銀

一局の将棋。

これからの将棋だが先手の陣形を乱して後手持って気分は良い。△55歩の順は43銀型でも同様に可能。

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対抗策への対策

宗歩型右四間飛車対策への対抗策は基本的には66歩~65歩として64の銀を追い返す、またはそもそも出させないという構想になる。その66歩のタイミングによって後手の対応が違うためそこをまとめる。

まず64銀以前の32銀よりも前に66歩~65歩と位を取られる場合。

65歩の位を取るなら▲58金が"形"であるため▲49金で待機はしずらいと思う。そのためこれには△35歩~△32飛で後手もやれるのではないかと今のところは推測している。もちろん35歩~43銀~32飛もあると思う。しかしいずれにしても囲いの堅さがない上に持久戦調になってしまうためこの展開の不安は大きい。要研究または今後、別の案を考える必要がある。

 

次に32銀に対して66歩と突かれる場合。

この場合は上記の場合と同様に35歩でも良いし、後述する構想のように74歩65歩73桂~64歩でも良い。64歩以下、同歩同銀45歩43銀44歩同角でも後手が悪いことはないだろう。しかし上図の局面では積極的に55歩という手が分かりやすい。

上図以下55歩同銀45歩

ここで【1】56歩 【2】65歩 がある。

【1】56歩55角同歩46歩86角47銀54歩同銀

後手十分。

 

【265歩46歩同銀77角成同桂43銀

互角。 上図では先手の65歩が明らかに伸び過ぎで、以下なんとなく55銀なら52銀42飛成同金で後手も指せる展開だと思う。

 

次に64銀を出た後に66歩と突かれる場合。

これが大きな問題となった。上図以下55歩67銀で追い払えるのなら予定通り43銀54銀と制圧して後手不満はないのだが、上図から55歩に65歩56歩64歩とされると陣形が乱れた後手が困る。一応ソフトはそこから65銀で評価値+300とまでしか言わないが、評価値以上に後手が勝てない展開だ。したがって64銀の手を改める必要がある。

 

改良案として先に73桂を跳ねてから64銀を上がる手がある。

これなら以下66歩には55歩65歩同桂同銀同銀55角64銀88角43銀ぐらいで後手が良い。また下図のように先に66歩を突くのも45歩~85桂で後手優勢。

また下図のように98香を78金にしても前述の55歩同歩45歩でも後手やれるし、普通に64銀の方が簡単で...

上図以下①64銀65歩同桂86角45歩98玉46歩65銀同銀42角成同金77桂55角、 ②64銀65歩同銀同銀同桂86角45歩98玉46歩42角成同金88銀52金で①②いずれも後手良し。因みに①の86角で代わりに66角は55歩同銀45歩で後手優勢。

 

しかしこの73桂64銀の課題は今のところ2つ見つかっており、一つ目は下図のように65銀と出られる点だ。

こればかりは防ぎようはなく、今のところ73金78銀84金86歩64歩56銀75歩87銀76歩同銀75歩87銀73桂で反撃できないかと考えている。先手45歩からの動きも43銀44歩同角同角同銀右または同銀左でも意外と局面が収まるため、まぁなんとか・・・

因みに31銀型だと73金56銀~45歩同歩同銀から47歩は打ててもかなり局面が動いてしまうので後手玉頭の愚形が祟ってしまう可能性はある。

 

また、2つ目の課題は下図の66歩が成立する点。

上図以下73桂65歩同桂67金

上図となると次の65銀同銀77桂や、58金〜66金を見て先手ペースのようだ。(ソフト調べ) 後手は仮に32銀を省略し一手早めて55歩を実現しても下図の65歩が行けてしまうようで・・・

銀の取り合いは陣形の乱れる後手が負けなので

上図以下同桂55銀同銀同角だがこれは先手良し。以下52飛91角成45歩77香57桂成同金同飛成58飛も先手良しだし51飛92馬の交換を入れても57桂成に81銀~83馬があるため後手上手くいかない。したがって

上図以下同桂55銀45歩64銀88角成同玉64歩66角46歩44歩

これは評価値+300。模様は先手が良いが65桂が目障りだし以下22角46飛35銀48飛44銀で後手もやれるか。

ここまで杞憂のような展開を気にする必要はないかもしれないが、研究がはまれば儲けものなので念のため記録しておいた。

 

2020/05/10 追記

改良案として下図の73銀ルートが現在最有力と見ている。

73銀から回して出すことのメリットは

  1. 即66歩~65歩に73銀で待機して66角~49飛99飛の地下鉄に対して以前の53銀足止めの展開よりも格段に受けやすいこと。
  2. 74歩65銀73金の変化を消せるとこ。

の2点がある。つまりこの73銀~64銀73桂のアイデアによって66歩~65歩に関連する問題は55歩など多少複雑な変化を避けれて簡単に解決できたことになる。64銀より前に66歩なら73銀待機、64銀の後に66歩なら73桂というだけで良い。上図より前では45歩から仕掛けられる可能性もあり、特に73銀の局面での45歩などは今後の研究課題である。しかし良い点としては32銀と早めに上がる必要は特にないため45歩43銀44歩同角同角同銀43歩同飛22角33角同角成同桂22角12香(11角成は42飛で後手良し)33角成同飛44飛42歩のようなイマイチ自身の無い変化を避けることができる。上図以降に話を進めると、54歩にはまた65銀がウザいため64銀~73桂を優先する。このとき前述の天守閣美濃など77角を上がらない展開になると64銀73桂の形でも66歩~65歩が嫌味であるため、77角を見てから64銀を上がるという風にすべきと思う。今回は77角の場合のみを見ていく。

上図以下77角64銀88玉73桂98香75歩

これは後手指しやすい、以下45歩同歩22角同銀と動いても次に75歩同銀は55角のラインが先手厳しいため後手ペースか。ただし98香を見てからにしないと75歩同歩同銀に98玉が厄介となるためその点は注意。

 

よって先手は98香に代えて78金54歩98香32銀99玉52飛

上図は従来通りの局面であり今一度明記すると、66歩55歩67銀の穏やかな進行も十分考えられるが後手も43銀~54銀と本来の主張を通して不満ない。したがって先手が後手の構想を咎めるなら

上図以下45歩55歩44歩56歩43歩成77角成桂43銀同飛成42銀48龍57歩成同金56歩58金57角

までで後手有望。

77桂と跳ねているため52龍は無いだろう。因みに78金を強要しなくても88銀とハッチを締めた局面からでも77角成同銀~52龍で後手は65桂の狙いがあるためこれでも後手有望となる。

 

2020/09/17 追記

ところがこの73銀には気になる変化が見つかった。

上図の45歩が成立しそうな不安がある。58金62金の交換があれば47歩があるので後手嫌ではない。

上図以下一例は同歩22角成同銀45銀33銀44歩

これは後手不満ない。次に52金でも65角でも一局だろう。

 

問題は2つ上の図から同歩同銀88角成同銀65角と進んだ局面

ここから38角の変化や56歩33桂77桂45桂(or飛)65桂の変化を、ソフトを用いて研究してみたが、どうもこの先の評価値が悪いようだ。まあ私は評価値なんぞ気にしないのだが、人間的にも73銀の瞬間は気持ちが悪い。そこで駒組を少し工夫する。

82銀~73銀と回すのが工夫。62金を優先することで前述の65桂の変化で53桂不成を消せる。

ちなみにここから45歩なら同歩同銀88角成同銀65角38角同角成同金65角と進み、

まあここでも56歩33桂77桂はあるが前述のとおり65桂が何にも当たらないのでこれは無視して考える。

 

上図から更に進めると47角同角成同飛65角

再度打つ。以下は56角同角同歩14角

また打つ。ここではまず36歩は考えられる手で、36歩33桂43歩同飛44銀46歩で後手指しやすい。この変化の時も53に利きがあるのは大きい。 

もどって36歩のところで36角が本筋で、36角同角同歩64角

しつこく打つ。これに対してまず46歩と収めると46歩33桂34銀46飛同飛同角

後手良し。49飛には45歩だし44飛には49飛58角69飛成同角68金77玉69金と攻めあって46飛には68角があるため上図で後手良し。

 

また、

この局面からは46歩のほかにも37角は考えられ、37角46歩同角45飛64角47飛成82角成同玉47金73角37桂49飛

これは後手好調。

したがって下の分岐元からは

55角と合わせる手が残る。55角同角同歩65角56角同角同銀47飛成同銀49飛

 

にて後手指しやすい。

 

長々書いたが、62金を優先すれば以上をもって45歩仕掛けに対応できるのではないかと今のところはそう思っている。

 

 

 

 

終わり。