端角中飛車、級位者有段者問わず苦戦する方は多いと思います。最も確実な守り方は石田流+△42銀△52金という低い陣形なのですが、棋風の関係で△44歩を止めて穏やかに反撃重視で戦いたい場合は対策に苦労します。そこで後手向かい飛車で△52金右と上がる構想を紹介します。
まずは序盤から復習。
初手▲56歩△34歩▲58飛△44歩▲55歩△42銀(図1)▲54歩△52飛▲53歩成△同銀(図2)
図2では4手得した後手が優勢となります。そのため「図1からの▲54歩は成立しない」との見方が一般的です。
本題に入ります。戻って図1から自然に進んで図3
ここから先手が仕掛ける場合を見てみましょう。
図3から▲54歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛△52金右▲76歩△43金▲56飛△54歩(図4)
まで後手良しです。△43金右は珍しい形ですが、メリットとしては△45歩▲33角成△同桂のときに▲31角の打ち込みを消しています。後手の囲いは△72玉~△62銀が一例です。
戻って図3から先手が端角に出てくる場合を見てみましょう。
図3から自然に進んで(図5)
図5から▲54歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛△43金▲56飛△54歩(図6)
後手良しです。△41金を待機することで▲31角成が無効になります。後手は次に△45歩~△55歩とすることで主導権が取れます。
また先手が▲54歩とは仕掛けずに7筋をいじってくる場合は図7のように△82銀で問題なさそうです。先手は▲55歩の維持に負担がかかる展開ですし、後手も最悪△62金と一手かければ普通の金無双です(;・∀・)
以上です。
△52金は以前TwitterでO氏に教えてもらった手なのですが、稀に他の人のツイートでも見かけたりするので、もしかすると書籍か雑誌で紹介されたことがあるのかもしれませんね。自分は将棋世界とか将棋年鑑とか読んだことないのでわかりません(*´з`)